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マンション管理組合とは?ゼロからアプローチする方法を徹底解説

作成者: 加藤 賢大|May 15, 2024 11:00:00 PM

マンション管理組合に対してなんらかの営業提案をしたいとき、どうすればよいのでしょうか。一般企業であればなんらかの対外的窓口が用意されており、代表番号に電話したりすることも可能です。しかしマンション管理組合は、部屋の所有者のための組織ということもあり、対外的窓口がない場合も多いです。ここではマンション管理組合にアプローチする方法をいくつか紹介します。

マンション管理組合について知ろう

何事もまずは相手を知ることが大事です。まずはマンション管理組合について詳しく理解しましょう。

マンション管理組合とは

マンション管理組合とは、その名の通りマンションの維持管理を行う組織です。エレベータや廊下、エントランス、水道管など共用部分の不具合が発生したときの修理、マンションの修繕・工事計画の策定、ゴミ出しルールの管理、定期的な共用部分の清掃などを行います。

区分所有法にもとづくれっきとした組織で、分譲マンションに入居した人は必ず加入しなければならず、部屋を持つ限り脱退は認められません。新築マンションの場合は、入居者が部屋を持ったときからマンション管理組合が設立されます。加入できるのは部屋の所有者(オーナー)のみであり、賃借人や所有者の家族は加入できません。


マンション管理組合の目的

マンション管理組合の目的を「共用部の維持管理」と思われていることが多いですが、本来的な目的は「全住民が快適に安心して暮らせる住環境を整えることです。そしてマンション全体の価値を維持し高めること」にあります。

マンション管理組合を取り巻く環境

近年問題になっているのが、マンション管理組合の機能不全です。高度経済成長期に建設された分譲マンションは、老朽化が進んでおり大規模修繕が必要になってきています。そして住人の高齢化により、マンション管理組合が適切に機能できない状況が懸念されているのです。

これまではマンション管理業協会が運営する「マンション管理適正評価制度」がありました。管理状況の良し悪しをランク付けして公表することで、市場価値に反映されやすくする仕組みです。それに加えて令和4年に改正マンション管理適正化法が施行され、「管理計画認定制度」が生まれました。管理計画の認定を受けられたマンション管理組合は、金利優遇を受けられるなどのメリットを享受できます。行政が専門的知見を提供しながら、適切なマンション管理計画や体制整備を促進する狙いがあります。

 

参考:

国土交通省 マンション管理適正化法の改正概要

国土交通省 マンションの管理計画認定制度のあり方について

一般社団法人マンション管理業協会 管理適正評価制度

マンション管理組合の組織構造を知ろう

マンション管理組合にサービス提案するためにアプローチするとき、適切な人に提案しなければ、いくら素晴らしい提案だったとしても、検討すらしてもらえないこともあります。組織構造をよく理解し、だれにアプローチするべきなのか明確にしましょう。

理事会

理事会はマンションに部屋を持つ人の中から選出され、役員はマンションの管理運営等に関する業務を担います。具体的には収支予算の作成、外部との契約締結や未納管理費の請求などを行います。

総会

総会は部屋の所有者全員で構成され、理事会の方針に対して賛否を投じる最高の意思決定機関です。総会がマンション管理組合を設置し、規約などを決めます。

組合員

組合員は、部屋の所有者と同義です。管理費や修繕積立金を負担し、迷惑行為や気付いた改善点があれば、理事会に要望を寄せることもあります。

管理会社

マンション管理会社は、マンションの維持管理を専門に行っている事業者です。マンションの管理業務は理事会がこなすことが基本であるものの、管理会社に委託することが多くあります。理由はマンション管理に必要とされる専門的な知見がなかったり、役員が他の仕事をもっておりマンション管理に時間と手間を割けなかったりするからです。管理組合の収納事務や会計事務、マンションの維持修繕の企画・理事会への提案、理事会や総会の運営支援、設備点検・立ち会い、エレベータ・給水施設・電気設備・消防設備などの建物管理、清掃など、幅広い業務を担います。

マンション管理組合へアプローチする方法

マンション管理組合は部屋の所有者に向けた組織であるため、外部に自らアクセスしにいくことは少ないです。ではどうすればアプローチできるのでしょうか。

管理会社からの紹介

マンション管理組合がなんらかの商品やサービスを調達する際、契約している管理会社に相談をしたり、管理会社から提案されたりすることが多くあります。対外的な情報収集を管理会社に頼っていることも多いため、管理会社にまずは提案し、紹介をしてもらうと効果的です。ただし、マンション管理組合に提案したい内容が、管理会社の利益に反する場合は提案が通らないこともあるでしょう。管理会社にもメリットがある内容である前提は踏まえておきましょう。

デベロッパーからの紹介

新築マンションのようにマンション管理組合が組織されていない場合は、デベロッパーにアプローチする方法も効果的です。マンション管理組合が組織されるとき、最初はデベロッパーが設立を支援することが多いからです。管理会社をはじめ、さまざまな役務提供の契約などもデベロッパーが提案するものが承認されることが多くあります。

管理計画認定制度からアタックリスト作成

マンション管理組合にアプローチするとしても、組合自体がしっかり機能していない可能性もあり、適切な取引関係を結べない懸念もあるでしょう。そうしたリスクヘッジをするために、優良なマンション管理組合のアタックリストを作成することも選択肢の1つです。先に紹介した管理計画認定制度では、公益財団法人マンション管理センターがその審査を担っており、管理計画認定制度の認定を受けたり、予備認定が通ったマンションを公開したりしているので参考になります。

 

参考

公益財団法人マンション管理センター 管理計画認定マンション閲覧サイト

公益財団法人マンション管理センター 予備認定マンション一覧

 

管理適正評価制度からアタックリスト作成

管理適正評価制度でも、マンション管理状況の評価結果を公開しています。これを利用してアタックリストを作成する方法もあります。

 

参考

一般社団法人マンション管理業協会 マンション管理適正評価サイト

ホームページ・オウンドメディアからの流入

マンション管理組合も、すべてを管理会社に丸投げしているわけではありません。自ら調達したり、場合によっては管理会社などの契約先を変えたりすることもあります。そうした場合に備えてホームページ内のコンテンツを充実させ、ターゲットキーワードにおいて検索上位を得ておく必要があります。ホワイトペーパーや問い合わせフォームなどのエンゲージメントを高めるために、「相談してみたい」と思わせるようなコンテンツの充実は必要となるでしょう。

展示会・セミナーでリード獲得

展示会やセミナーでリードを獲得する方法もあります。マンション管理組合を対象とした展示会は定期的に開催されています。たとえば、20245月に「マンション管理組合サポート展」が開催されます。マンション管理組合をはじめ、管理会社やデベロッパーも参加するため、さまざまなリーチを獲得できる可能性があるのです。他にも自らセミナーやウェビナーを開催している会社もあります。

 

参考

住まい・建築・不動産の総合展BREX実行委員会 マンション管理組合サポート展

専門誌などメディアからのリード獲得

マンション管理の専門誌に広告を掲載する方法もあります。積極的に活動しているマンション管理組合であれば、購読している可能性があります。たとえば「マンション管理新聞」や「アメニティ新聞」が挙げられ、マンション管理組合だけでなく、管理会社や、マンション管理にサービス提供を行うさまざまな会社が購読しています。広告を掲載する場合、事前に読者層にマンション管理組合がどの程度いるか、確認しておきましょう。

 

参考

マンション管理新聞

アメニティ新聞

Web広告の活用

特定のキーワードを絞ったリスティング広告などのWeb広告を活用したり、専門的なWebサイトの広告枠を買ったりする方法もあります。たとえばマンション管理の専門サイトとしては「管理組合サポート」「集合住宅管理新聞」などがあります。他には、記事広告を出稿する方法もあります。「東洋経済新聞社」などは、狙ったキーワードに応じて記事広告制作サービスを提供しています。

 

参考

管理組合サポート

集合住宅管理新聞

ポスティング・ローカルメディアの活用

エリアを限定してアプローチしたい場合は、ポスティングも手段の1つです。マンション管理組合によっては組合用のポストが設けられていることがありますし、マンションの入居者全員に向けたポスティングも、理事の目に入る可能性があります。ただし、近年の分譲マンションでは、セキュリティドアが設置されており、外部の人間がポストにアクセスができない場合もあるので、費用対効果については検証が必要になります。

ローカル戦略の手段のもう1つとして、地方紙の活用がある。区単位や、商店街などが発行している町の情報誌に広告を載せる方法もあります。自治体によっては町内会への参加を促進しているところもあるので、町内会からのアプローチも取れるかもしれません。

まとめ

マンション管理組合は、基本的にクローズドな組織で、リードの獲得自体が困難な場合が多いです。架電やメール送付といった一般的なPUSH型営業はうまくいきません。セミナーや展示会への参加を募ったり、マンション管理組合とつながりがある事業者経由の紹介を狙ったりするPULL型営業が効果的です。どのような形でも、Web等で事前に自社サービスを調べられることが想定されるので、コンテンツの充実は必要不可欠といえます。