オウンドメディアにコンテンツを公開したものの、訪問するユーザー数が伸び悩んでいませんか?記事をより多くのユーザーに読んでもらうための施策を検討しているオウンドメディアご担当者様もいることでしょう。
今回は、オウンドメディアの記事をブーストさせる(押し上げる)ための手法を紹介します。講じておきたい施策を「コンテンツ戦略」「ユーザー体験の改善」「ブースト広告の活用」の3つに分けて解説しますので、ぜひオウンドメディア施策の改善に役立ててください。
オウンドメディアは「コンテンツマーケティング」の一環と位置づけられている通り、コンテンツが主体のメディアです。よって、記事をブーストさせるにはまず何よりもコンテンツ戦略が重要になります。後述する手法2・3は、いずれもコンテンツ戦略を講じた上での施策と捉えてください。記事をブーストさせるために必要なコンテンツ戦略は、主に次の4点です。
コンテンツに到達するユーザーが何を求めているのか、検索意図を再確認しましょう。検索意図(インテント)には、大きく分けて次の4タイプがあります。
・Knowクエリ:知りたい
・Goクエリ:行きたい
・Doクエリ:何かをしたい
・Buyクエリ:買いたい
たとえば、「経理 効率化」というキーワードで検索されたケースを考えてみましょう。「社内で経理業務を効率化する方法が知りたい」という場合もあれば、「経理業務をアウトソースしたい」という場合もあるはずです。このように、同じキーワードでも多様な検索意図があり得ることを踏まえて読者のニーズを分析する必要があります。
ターゲットキーワードに対する検索意図を捉え、読者のニーズに応えるコンテンツを制作していくことが大切です。現状のコンテンツが読者のニーズを踏まえたものになっているか、客観的な視点から今一度確認しておきましょう。
情報を発信する領域におけるトレンドを取り入れることも重要なポイントの一つです。オウンドメディアのコンテンツは、普遍性の高いものとトレンド性の高いものに分けられます。普遍性の高いテーマのコンテンツは長期にわたって読まれる可能性がある一方で、現時点での読者ニーズを十分に満たせるとは限りません。最新のデータやトレンドの話題を取り入れることによって、読者の満足度を高めることが大切です。
たとえば、普遍性の高いテーマであっても「近年の傾向はどうであるか」「直近でどのようなデータがあるか」といった情報を盛り込むことにより、トレンドを踏まえたコンテンツを制作できます。一般論に終始することのないよう、トレンドを取り入れたコンテンツへと改善を図りましょう。
オウンドメディアはユーザー(人間)だけでなく、検索エンジンからも評価されている点を見落とすべきではありません。検索エンジン側から見た場合の視認性を高め、コンテンツを評価してもらう必要があります。検索エンジンの視認性を向上させる主な施策は次の通りです。
・検索エンジンのペナルティを受けていないか確認する(サーチコンソールを活用)
・わかりやすいサイト構造にする
・関連キーワードを記事内にちりばめる
・メタタグにページの内容を正確に記述する
・関連性の高い記事への内部リンクを設置する
・サイトの読み込み速度を改善する
・同ジャンルの権威あるWebサイトからバックリンクを獲得する
コンテンツ戦略は一度講じれば効果がもたらされるとは限りません。講じた施策の効果を測定し、改善を繰り返していくことが非常に重要です。改善を繰り返しても効果が見られないようなら、講じるべき施策そのものの方向性を見誤っている可能性もあります。読者のニーズや検索意図に立ち返り、必要に応じてコンテンツを大幅にリライトすることもあり得るでしょう。効果測定と改善を繰り返していった結果、ある時点で記事が大幅にブーストするケースも少なくないのです。
記事をブーストさせるには、オウンドメディアを訪問したユーザーが「記事を知人にも紹介したい」「SNSでシェアしたい」といった心境になるかどうかも重要なポイントといえます。記事の拡散を実現するには、次の3点を押さえた上でユーザー体験を改善していくことが大切です。
視覚に訴える要素を盛り込み、記事の魅力を底上げすることにより、ユーザー体験の改善を図ることが重要です。記事の第一印象を大きく左右するアイキャッチ画像や、記事内に配置するイメージ画像を用意し、コンテンツが文字情報のみに偏らないようにしましょう。
また、記事内容を図や表で解説する箇所を設けたり、動画コンテンツを埋め込んだりする方法も効果的です。画像や動画は文字をはるかに上回る情報量を伝えられるため、ユーザーの印象に残りやすくなる効果が期待できます。結果として、シェアの連鎖を生み出すことにもつながるのです。
ターゲットユーザーに合わせてコンテンツをカスタマイズしていくことも大切です。とくにBtoBの場合、オウンドメディアを閲覧している担当者と決裁者が異なるケースは少なくありません。たとえば、社内プレゼンに役立つ資料や他社の導入事例を掲載することにより、ターゲットユーザーが今まさに求めている情報を提供できる可能性があります。
コンテンツのパーソナライゼーションを意識することは、記事が一般論に終始するのを避ける意味においても重要なポイントです。結果的にコンテンツの独自性が高まり、検索エンジンの評価も向上する効果が期待できます。
コンテンツにインタラクティブ(双方向)要素を取り入れることにより、ユーザーエンゲージメントを強化できます。たとえば、クイズコンテンツを記事内に設けることで、読者もコンテンツに参加する感覚を持ちつつ読み進められるでしょう。あるいは、記事に対して「いいね」や「役に立った」といった評価ができる機能やコメント欄を設けることにより、ユーザー参加型のメディアにもできます。
コンテンツ内のインタラクティブ要素は、「自分のコメントを読んでほしい」「同じクイズを知人にも考えてもらいたい」といった動機をユーザーにもたらします。記事の共有・拡散を促進するためにも、ユーザーエンゲージメントの強化を意識することが重要です。
タイアップ広告とは、メディアと協力して宣伝する手法のことです。ソーシャルブックマークサービスなどが提供しているタイアップ広告サービスを活用し、記事がより多くのユーザーの目に触れる機会を創出しましょう。
タイアップ広告を活用する大きなメリットは、すでに多くのアクティブユーザーを獲得している著名なメディアの影響力を借りられる点にあります。定期的にタイアップ広告を打つことにより、オウンドメディアの認知度を着実に高められるでしょう。
SNSに記事リンク付きの投稿をした上で、投稿に広告キャンペーンを設定する方法もあります。予算・ターゲット・表示期間などを設定するだけですぐにブースト広告を出稿できるため、自社の広告予算やターゲットに即した施策が実現しやすい点が特徴です。
膨大な人数のユーザーを擁するSNSプラットフォーム上で広告を打つことにより、検索流入ではリーチしなかったユーザーにも記事を読んでもらえる可能性が高まります。SNSによってユーザー層が異なるため、自社のコンテンツと親和性の高いSNSを選ぶのがポイントです。
ニュースサイトなどにユーザーへのおすすめコンテンツを表示する「コンテンツ・レコメンデーション」を活用するのも効果的です。ユーザーの興味関心に応じて記事を自動的にレコメンドしてもらえるため、コンテンツ消費意欲の高いユーザーにリーチする確率が高まります。
ただし、コンテンツ・レコメンデーションには審査があるため、プラットフォームが定めるポリシーに抵触していない、質の高いコンテンツが求められます。審査をスムーズに通過するためにも、手法1・2で紹介したコンテンツ戦略やユーザー体験の改善を重視するスタンスで臨むことが重要です。
オウンドメディアの記事をブーストさせるには、コンテンツ戦略に磨きをかけ、ユーザー体験の向上を図ることが重要です。その上で、ブースト広告を活用して読者層を広げていく施策を講じるとよいでしょう。今回紹介した施策のポイントを参考に、ぜひ多くの読者を獲得するオウンドメディア施策を実現してください。