記念日の制定方法
記念日は誰でも簡単に制定できます。ここでは独自の記念日を制定する方法を詳しく説明していきます。
1. 日付と名前を決める
自社の商品・サービスと関係性が深い日や、語呂合わせで覚えやすい日などを指定します。「ポッキーの日」のように、自社の商品・サービス名を使うことも可能ですが、これは社会的な知名度がかなり高いものに限られます。社会的知名度がそれほど高くない場合は、「チョコスティックの日」のようなジャンル等で制定するのがおすすめです。
ポイントは、売上につながりやすい設定をすることです。たとえば「チョコレートの日」では、ジャンルが大きすぎて「ポッキー」を販促したくても、モーメントは弱いでしょう。日付も重要です。たとえば「アイスバーの日」を定めるとき、日付を真冬にしてしまっては効果的なモーメントが生まれないでしょう。
2. 一般社団法人日本記念日協会で登録する
一般財団法人日本記念日協会が登録をしてくれます。記念日の由来などの説明を記載して申請します。審査があるので、申込書類には社会的意義などもしっかり記入しましょう。費用は15万円です。登録されると登録証が交付されます。交付証の授与式も開催してくれるので、授与式の写真などをマーケティングに活用することも可能です。
他の記念日と日付が同じでも登録は可能です。日本記念日協会のHPには登録されたすべての記念日が公開されているので、似通った記念日がないか、チェックしておくとよいでしょう。
<参考>
一般財団法人日本記念日協会 公式HP
https://www.kinenbi.gr.jp/mypage/entry
パブリックリレーションズ(PR)事例
記念日を定めたら、積極的にPR(パブリックリレーションズ)を行いましょう。ここでは、独自に記念日を制定してPRを行った事例を紹介します。
ホクト株式会社:菌活の日(5月24日)
キノコ食品のメーカーであるホクトが「菌活の日」を制定した事例です。記念日マーケティングと調査PRを組み合わせることで、話題性と説得力をもったPRを行いました。
単純に「キノコの日」とするのではなく、生活習慣の見直しに対するモーメントを捉えて「菌活」という言葉を作り、健康志向からアプローチしました。これにより高いPR効果はもちろん、ホクトの商品を「健康的なもの」とするブランディングにつなげています。
プレスリリースでは菌活に関する消費者アンケート調査の結果も公開して、菌活が社会的に注目を集め、受け入れられていることを客観的立場からアピールしました。
<参考>
PRタイムス:~今後求められる「○活」を検証した結果、鍵を握るのは「菌活」だった!~ 5月24日は菌活の日!さまざまな美容・健康習慣を網羅する理想の「○活習慣」こそが「菌活」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000061073.html
全国製麺協同組合連合会:生パスタの日(毎月7日・8日および7月8日)
全国製麺共同組合連合会が市場拡大を狙って、「生パスタの日」を制定した事例です。多様なクリエイティブを組み合わせることで、更なる効果を狙いました。また、連合会に加入している各社がこの日に合わせてPR活動を一気に展開し、社会的な空気感の醸成を進めています。
生パスタの専用HPを用意し、生パスタの歴史や魅力、美味しく食べられるレシピ紹介をしています。また記念日を年に1回だけでなく毎月で設定しており、継続的なPR活動の起点として活用しています。
<参考>
全国製麺共同組合連合会:生パスタ専用HP
https://zenmenren.or.jp/raw_noodle_iroiro/raw_pasta/
樋屋製薬株式会社:夜泣き改善の日(4月7日)
「夜泣き改善の日」は、樋屋奇応丸(ひや・きおーがん)を製造する樋屋製薬が独自に制定した記念日です。夜泣き改善という共感を得やすいテーマにすることで、多くの企業がマーケティング活動に参加できるようにした事例です。
樋屋製薬は生薬製造に強みをもつメーカーです。「生薬で小児の高ぶった神経を鎮めることで、心と身体のバランスを整えて夜泣きを改善する」という内容を発信することで、生薬のターゲットである小児を育てる母親層の取り込みを図っています。また、「赤ちゃんと両親の健康を守る」というコンセプトの画像を作って著作権フリーで公開し、小児の母親層をターゲットとする企業も巻き込んだPR活動ができるようにしています。
<参考>樋屋製薬 公式HP
https://hiyakiogan.co.jp/content/activities/yonaki/