記事作成においてチェック作業は必要不可欠です。チェック項目が明確であれば、安定して高品質な記事作成を続けることができ、Webサイト全体が高い評価を得やすくなります。一方でチェックがおろそかだと、知らないうちに記事に対する評価を落としていたり、何らかの法令トラブルに巻き込まれたりするかもしれません。今回は厳選した18項目のチェックリストを紹介します。
文章表現のチェック項目は細かい点が多いです。面倒に感じるかもしれませんが、「神は細部に宿る」といわれるように、集客力が高いメディアは共通して文章表現が統一されています。
「表記ゆれ」とは、同じ意味の言葉がさまざまな表現で混在していることを指します。表記ゆれがあると読み手が負担に感じるだけでなく、記事の印象が安っぽくなり、ブランドを毀損することになります。たとえば「使う」と「つかう」、「使う」と「使用する」、「1」と「一」などはよく見られる表記ゆれです。単語ごとの表記ルールを定めた「表記リスト」を作っておきましょう。これによって、誰でも同品質のチェックができるようになります。
文体には大きく分けて「です・ます調」と「だ・である調」があります。「です・ます調」は柔らかく丁寧な印象になりやすく、「だ・である調」はやや断定的で硬い印象を読み手に与えます。この文体がばらばらに混在していると、印象がぶれてしまい読み手にとって違和感が大きい記事になってしまいます。
句読点が足りなかったり、多すぎたりしないかチェックしましょう。句読点は文章を読みやすくする役割があり、句点(。)は80文字程度に1個、読点(、)は20~30文字程度に1個つけるのが読みやすい文章とされています。句読点のチェックで効果的なのは、文章を声に出して読んでみることです。息継ぎをするタイミングで句読点が入っていれば、適切につけられていると考えてよいでしょう。
同じ表現の文体を連続して使っていたり、文章のねじれがあったりすると、冗長で読みづらくなってしまいます。文章のねじれとは、主語と述語や、論点と結論がかみ合っていない状態を指します。たとえば、「私の性格はポジティブになりたいです」という文章は、かみ合っていません。ねじれを解消すると「私は性格をポジティブにしたいです」となります。
記事の内容が重要なのはいうまでもありません。しかしチェックする際の観点は人によってさまざまで、チェック品質にもばらつきが生まれやすい部分です。ここでは作成した記事の内容をチェックする方法を解説します。
タイトルが記事の内容を端的に表せているか、チェックしましょう。ユーザーがタイトルを見たとき、記事を読むことで得られるベネフィットをイメージできることが大切です。
次に重要になるのが、見出しの構成、つまり目次です。訪れたユーザーの多くは、最初に目次を見て、自分の疑問や課題を解決してくれそうか確認するといわれています。見出しを読めば記事の内容がイメージできるかチェックしましょう。
ユーザーの疑問や課題の解決に資する内容の記事作成ができているか、チェックしましょう。ユーザーが抱える疑問や課題は、「クエリ」と呼ばれる概念で分類されています。チェックする記事が、どのクエリをターゲットにしたものなのか理解した上でチェックすることが重要です。クエリは4種類あり、知る目的の「Knowクエリ」、行く目的の「Goクエリ」、購入目的の「Buyクエリ」、実行目的の「Doクエリ」があります。
専門的な内容の場合、裏付けのある記事作成ができているかチェックしましょう。記事の出典・引用・参照先の発行元が信用に足るか、そして、記事の内容の裏付けになる情報が記載されているかを丁寧にチェックします。もし出展・引用・参照先が不明な場合、ライターに根拠とした情報を確認するようにしましょう。
記事が高品質だったとしても、SEOのポイントが押さえられていなければ、十分な効果を発揮できません。SEOにおける技術的なポイントについてもしっかりチェックしましょう。
メインキーワードとは、検索結果で上位を取りたいワードのことで、基本的に記事作成の前から決められているものです。メインキーワードが文章にしっかり盛り込まれているかチェックしましょう。とくにタイトルや見出し、ディスクリプションの部分に盛り込まれていると、SEOで有利に働くといわれています。
サブキーワードとは、メインキーワードと組み合わせて検索されそうなワードで、単体では使用されないもののことです。たとえば「東京スカイツリー」をメインキーワードに据えたとき、Knowクエリの場合は「とは」、Goクエリの場合は「アクセス」、Buyクエリの場合は「お土産」、Doクエリの場合は「予約」などが考えられます。メインキーワードと同様、記事中にしっかり盛り込まれているかチェックしましょう。
一般的に記事作成の際は、事前に競合記事に関する調査を行います。競合記事よりも高い網羅性や情報量があるかチェックしましょう。これは、ユーザーに対してより多くの情報を提供できる記事が、検索エンジンから評価されやすいからです。事前に調査した競合記事と比べて、高品質な記事となっているかチェックしましょう。
記事の内容に関連するWebページが、内部リンクとして設定されているかチェックしましょう。内部リンクとは、記事の内容に関連するWebページのリンクを、記事内に埋め込んでユーザーが参照しやすくしたものです。内部リンクが設定されていることで、ユーザーはWebサイト内を回遊し、記事のエンゲージメントが高まります。
記事作成後、リーガルチェックを必ずしましょう。知らないうちに法令違反を犯し、多大なペナルティを受ける可能性があるからです。ここでは4つの法令を紹介しますが、いずれも専門的知識が必要なので、チェック担当者はしっかり勉強し正しい知識を身につけることをお勧めします。
記事の文章が、他社の記事を模写(コピー&ペースト)していないかチェックしましょう。この作業をコピペチェックといい、コピペチェック専用のツールを使うと便利です。コピペチェックツールによる検証の結果、一致率が高い場合は著作権に抵触するリスクが高いので、文章の見直しを行います。また写真や画像が著作権を侵害していないかチェックしましょう。
肖像権とは、本人の承諾なしに顔などの容貌を他人に公表されたり、利用されたりしないための権利です。記事で使っている写真のなかに、一般人の顔が写りこんだりしていないか、チェックしましょう。また芸能人やアーティストといった著名人の場合、肖像に商業的価値がある場合は肖像権が保護されている場合があります。
薬機法とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の誤った利用による危害を防止するために必要なことを定めた法律です。これは、読者が効果効能などについて誤った認識をもち、適切な医療行為が妨げられ、健康被害が出ることを防ぐためです。記事などの広告表現も厳しく定められていますので、しっかり知識を身につけた上でチェックしましょう。
景品表示法とは、商品やサービスに関する不当な表示によって、買い手が適切な判断に基づいて購買することを妨げる行為を制限・禁止する法律です。記事などの広告において、商品・サービスの価格や品質の誇大広告や虚偽広告を規制しています。景品表示法についても正しい知識を身につけた上でチェックしましょう。
ここまで紹介してきたとおり、記事作成におけるチェック項目は多く、面倒に感じるかもしれません。しかしこれら18項目をチェックできる体制を敷くことで、高品質な記事を安定的に作成し続けられるようになるでしょう。現行のチェック体制への反映を検討してみてはいかがでしょうか。