見込み顧客獲得方法⑤:CRMと自動化ツールの活用
見込み顧客獲得には、各種ツールを活用するのも有効な方法です。
見込み顧客の発掘・獲得に役立つ具体的なツール例を紹介します。
ツール例1:CRM
CRMは顧客関係管理のためのツールです。
過去に接点のあった見込み顧客の情報は、社内の各部門に散在しているケースが少なくありません。
これらの情報を一元化し、条件を指定して絞り込めるようにしておくことで、
似た傾向のある見込み顧客に対して集中的に施策を講じやすくなります。CRMツールの一例は以下の通りです。
・Hubspot:見込み顧客の管理に必要な5つの機能をオールインワンで提供
・Salesforce Sales Cloud:商談化に最適なタイミングとアクションをAIが自動通知
・ferret One:見込み顧客獲得の戦略構築やサイト構築の段階から環境を整えられる
見込み顧客は獲得することがゴールではなく、獲得後に育成していくことが重要です。
アプローチに適したタイミングを見逃さないためにも、CRMを活用して合理的・効率的に管理していくことをおすすめします。
ツール例2:CDP
CDP(Customer Data Platform)とは、顧客の属性データや行動データを収集・統合・分析するためのツールです。
MA(マーケティングオートメーション)などのツールを連携することにより、見込み顧客の状況をリアルタイムで把握し、
購買意欲が高まっている見込み顧客へタイミングを逃すことなくアプローチしやすくなります。CDPの具体的なツール例は以下の通りです。
・Treasure Data:国内外450社以上で導入実績があるCDP
・Tealium:1,300以上のシステム・ツールと連携が可能なCDP
CDPには見込み顧客1人ひとりの秘匿性の高い情報が集約されるため、情報漏洩には細心の注意を払う必要があります。
セキュリティ対策が十分に講じられているツールを選び、適切に管理・運用していくことが重要です。
ツール例3:電話解析
電話解析とは、電話における通話内容の文字起こしや音声解析、スコアリングなどが実現できるツールを指します。
具体的なツール例は以下の通りです。
・MiiTel:会話速度やラリー回数、被せ率といった話し方の特徴をAIが解析
・COTOHA Voice Insight:コールリーズン分析や感情分析機能を搭載
電話は対話の内容がその場限りになりやすいコミュニケーション手段である一方で、
通話の内容には見込み顧客のニーズや検討材料を探るヒントが豊富に含まれています。
こうした情報を丁寧に分析していくことで、見込み顧客の獲得・育成に役立つでしょう。
BtoBマーケティングの成功事例3選
さまざまな施策によってBtoBマーケティングを改善・成功につながった事例を紹介します。
今後講じるべき施策の検討や、現状の課題改善に取り組む際のヒントにしてください。
事例1:Webサイトの導線改善
生活用品・衛生用品の製造・販売を手がける企業では、自社Webサイトの導線改善に取り組みました。
具体的には、Webサイトの訪問者が問い合わせページにアクセスしやすい設計へと変更し、
より多くの問い合わせを受け付けられるようにしたのです。
結果として問い合わせ件数が改善前の約6倍となり、月間の売上高は3倍以上に増加しました。
Webサイト経由の問い合わせは、BtoBマーケティングにおいて非常に基本的な見込み顧客獲得の手法といえます。
基本的な手法だからこそ、改善を試みることで具体的な成果につながる可能性も高い施策といえるでしょう。
事例2:オフライン広告からオンライン広告への移行
理化学機器を扱うメーカーでは、従来オフライン広告を中心に見込み顧客の獲得を試みていました。
しかし、十分な効果が得られなかったため、オンライン広告へと施策の方針を大きく変更したのです。
具体的には、広告を通して取得可能なデータを分析し、広告施策を改善するPDCAを徹底しました。
広告経由で得られたユーザーの声を製品開発に反映させ、見込み顧客の獲得と既存顧客の満足度向上を並行して進めたのです。
結果として、年間数千万円規模の改善効果を得ることができました。
BtoBマーケティングにおいては、中長期的に施策の改善を続けることが成果へとつながることを示す好例といえるでしょう。
事例3:見込み顧客情報の一元化
電子部品の製造を手がける企業では従来、企業向けのさまざまなプロモーション施策を講じていました。
しかし、各プロモーション施策が連動しておらず、施策ごとに得られた見込み顧客の情報が十分に活用できていない課題を抱えていたのです。
そこで、MAツールの導入により、見込み顧客の情報を一元管理する仕組みを整えました。
同時にコンテンツマーケティング施策を改善することで、獲得した見込み顧客を育成する精度と効率を高めたのです。
結果として見込み顧客を効果的に顧客化することに成功し、売上高1兆円規模のビジネスを創出することに成功しました。
社内に散在している情報の資産価値を再評価し、有効活用していくことの重要性を示唆している事例といえるでしょう。