インサイドセールスの導入に伴って発生しやすい課題は、どのように解決を図っていけばよいのでしょうか。5つの具体的な対処方法について解説します。
客観性の高いKPI・KGIを設定する
インサイドセールスに求められる役割は、主に次の3点です。
・見込み顧客と深い信頼関係を築くこと
・商談化すべきタイミングを適切に見極めること
・フィールドセールスに見込み顧客を引き継ぎ、提案活動へとつなげること
したがって、これらの役割をどの程度果たせているかが客観的に確認できるKPI・KGIを設定する必要があるでしょう。具体的には、以下のような項目が想定されます。
・コネクト数:アプローチしたい相手と直接会話した回数
・商談化件数:アポイントから商談へとつながった件数
・商談への貢献率:商談全体に対してインサイドセールスが貢献した金額・件数
客観性の高いKPI・KGIを設定することにより、インサイドセールスの目的を見失わないようにすることが大切です。
インサイドセールスの役割を周知する
インサイドセールスが営業プロセスの中でどのような役割を果たし、その役割がなぜ重要なのかをマーケティング部門やフィールドセールス部門にも理解してもらいましょう。リードナーチャリング(顧客育成)の概念とその重要性について、営業プロセスに関わる全部門の関係者が出席する研修会や勉強会を開催することをおすすめします。
同じ組織内で働いている従業員であっても、果たすべき役割が異なると相互理解を図りにくくなることは決してめずらしくありません。お互いの役割や存在意義を知り、尊重し合える組織風土を醸成していくことが重要です。
部門間の連携方法を確立する
見込み顧客の購買意欲に応じて営業プロセスを分業化することは、同一の見込み顧客を複数の部門が担当することを意味します。部門間の連携が不十分な状態が続くと、お互いに不信感を抱く原因にもなりかねません。
コミュニケーションや情報共有に役立つツールを導入するなど、仕組みのレベルで連携不足を回避する工夫が求められるでしょう。担当者の個人的な気配りや努力によってコミュニケーションが成立しているような状況を、できるだけ作らないようにすることが大切です。
顧客管理ツールを活用する
インサイドセールスでは担当者一人あたりが応対する顧客数が多くなりやすいことから、複数の担当者が顧客情報を共有・管理できる仕組みを整えておく必要があるでしょう。具体的には、顧客情報や対応履歴などを管理するCRM、購買意欲のスコアリングやシナリオ作成・実行などを支援するMA、フィールドセールスにリードを引き継ぐ際の情報共有・案件管理を支援するSFAといったツールが挙げられます。
こうしたツールを導入する本質的な目的は、「誰が担当しても高均一な対応ができるようにすること」です。担当者の個人的な感覚や経験則に依存することのないよう、各種ツールを軸とした施策設計をしていくことが重要です。
必要に応じてアウトソーシングも検討する
インサイドセールスの導入・実行は、必ずしも社内で完結させる必要はありません。自社のリソースやノウハウの状況によっては、アウトソーシングを活用することも検討しましょう。
アウトソーシングを活用することで、インサイドセールスの実績がある委託先のノウハウを活用できます。また、社内の負担を軽減し、より少ないリソースでインサイドセールスを導入できる点も大きなメリットです。リソースやノウハウ面がインサイドセールス導入のボトルネックとなる公算が大きいようなら、アウトソーシングの活用も視野に入れて施策設計を検討することをおすすめします。