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総務・経理・人事部門へアプローチするには?取り巻く社会情勢と一緒に解説

2024年06月19日

総務・経理・人事部門へアプローチするには?取り巻く社会情勢と一緒に解説
目次

近年の総務・経理・人事部門は大きな変化を求められており、多くの会社で共通した課題を抱えています。総務・経理・人事部門にアプローチしたい方にとっては、大きなビジネスチャンスがあるといえるでしょう。ここでは各部門の業務内容や課題、そしてアプローチの方法を紹介します。

総務・経理・人事部門の特徴

総務・経理・人事部門の特徴

総務・経理・人事の業務には共通した特徴があります。それらをよく理解しておくことで、興味を持ってもらいやすい提案や、アポイント後の円滑なコミュニケーションがしやすくなるでしょう。

会社組織の円滑な運営を担う

総務・経理・人事部門の業務を一言で表現するならば「会社運営」です。彼らの業務をやる人がいなければ、会社は組織として立ち行かなくなるでしょう。営業部門や広報部門、技術部門が花形と見られることが多いですが、総務・経理・人事部門がいるからこそ、他部門は自分たちの仕事に専念できるのです。会社、ひいては社員を支える役割を担っているのです。経理部門はお金を、人事部門は人を、総務部門は他部署ができない包括事務を担っています。


シーズンによる繁忙の差が激しい

総務・経理・人事部門は、繁忙期に業務負荷が大きくなる特徴があります。

たとえば総務部門の場合、年度末から株主総会の準備、来年度に社員が使うPCなどの備品調達、各種ソフトウェアライセンスの更新など、さまざまな作業があります。

経理部門では、月末月初、四半期末、決算時期が繁忙期の中心です。3月決算の会社の場合、毎年11月から12月にかけて各種税金の納付手続きや年末調整の処理があり、1月頃には各種報告書や法定調書の作成提出があり、2月・3月には決算準備や棚卸しが行われます。4月に入ると決算申告などもあります。

人事部門の場合は、6月から8月にかけて新卒採用の選考があり、9月から11月にかけてインターンシップや中途採用対応、3月から4月にかけて新入社員の受け入れなどがあります。

業種や規模に関わらず業務内容が共通している

総務・経理・人事は、規模や人数に違いがあったとしても、基本的にどの会社でも行われている業務です。業界や会社特有の業務はあるかもしれませんが、ある程度は業務内容が共通しています。そのため同業他社であっても、バックオフィス部門の担当者同士は比較的気軽に情報交換ができ、良い面は真似して取り入れやすいといわれています。

業務が標準化されていないことが多い

総務・経理・人事業務は、業務の標準化が進みにくいといわれています。これはバックオフィス部門が「コスト部門」と捉えられており、大規模な投資が後回しになりがちだったことが背景にあります。たとえば営業部門が属人化しており、クライアントからクレームなどがあれば、会社として対応せざるを得なくなります。しかしバックオフィス部門の場合、そういった外圧が少なく、業務改革のための会社資本の投下に対して、経営層の理解を得にくい状況が長く続いてきました。

総務・経理・人事部門を取り巻く社会情勢

総務・経理・人事部門を取り巻く社会情勢

これまでは保守的だった総務・経理・人事業務ですが、近年は大きな変化が迫られています。背景には外部環境の急激な変化があります。ここでは、外部環境の変化について詳しく紹介します。

法改正が頻繁に行われる

近年、総務・経理・人事業務に関する法改正が頻繁に行われています。

経理部門においては、インボイス制度や電子帳簿保存法の法改正が行われ、経理書類の様式や保管方法など、具体的な業務に大きな影響がありました。

人事部門では、労働基準法や職業安定法、障碍者雇用促進法、障碍者差別解消法、労働者災害補償保険法が改正され、20244月に施行されました。

総務・経理・人事部門は、頻繁に行われる法改正に対応いた業務設計をする必要性に迫られています。そして、今後も実施される法改正に対応できる柔軟性が求められるようになっているのです。

DX化・生産性向上の動きが激しい

近年の総務・経理・人事部門に共通するトレンドはDX化です。

これまでの総務・経理・人事業務は、企業ごとに度重なるカスタマイズが行われ、ブラックボックス化していました。しかし「2025年の崖」という危機意識が日本の産業界全体で共有されるなかで、標準化されたシステムやアプリケーションの導入が進むようになりました。また、AIによる定型業務処理の自動化も進んでいます。

これまで、「コスト圧縮」が総務・経理・人事部門のミッションでした。たとえばシステム費用の削減、人件費の削減などです。しかし近年は、企業全体の生産性を向上させる役割が求められています。たとえば、社内決裁にかかる工数を小さくしたり、問い合わせ対応にかかる工数を小さくしたり、ミスによるクレーム件数の削減や、優秀な人材の確保、会社に対するロイヤリティの維持などです。

アウトソーシングが進められている

前述の通り社会の変化が激しい現在、総務・経理・人事の担当者は普段の業務をこなしつつ、新しい時代の流れに対処する戦略的な業務設計が求められるようになっています。定型業務を外部化し、本来やるべき重要業務にリソースを注げるよう、外部委託を活用する企業が増えています。

たとえば、コールセンターや社内ヘルプデスクの外部委託、経費精算書類のダブルチェックの外部委託などが代表的です。他にも各種データ入力、伝票や備品管理、登記や商標、給与処理や帳簿管理、保険手続きや勤怠管理、衛生管理など、幅広いアウトソーシングが進められています。

総務・経理・人事部門へアプローチする方法

総務・経理・人事部門へアプローチする方法

ここからは、総務・経理・人事部門へアプローチする具体的な方法を紹介していきます。

経営者・経営幹部・経営企画部門からの紹介

経営層から総務・経理・人事部門に対する後押しが起点となって、バックオフィス業務の改革に取り組む企業は多いです。何らかのきっかけで経営層がバックオフィス業務の生産性向上に資するサービスを知り、バックオフィス部門に「このようなサービスの導入を検討できないか」と検討指示を出すのです。経営層にアプローチすることで、トップダウンで総務・経理・人事部門にアプローチできるかもしれません。

セミナー・ワークショップなどのイベント開催

セミナーやワークショップなどイベントを開催し、情報交換の場として人を集めてリードを獲得する方法があります

総務・経理・人事部門は、同業他社のような競合先であっても意見交換しやすい特徴があります。つまり、セミナーやイベントで行われる懇親会や情報交換会に参加しやすいのです。

たとえば経費精算のクラウド型ソリューションを提供するSAP コンカーは、定期的に同業者を集めたワークショップイベントを開催しており、参考になるかもしれません。

 

参考:地銀DXの最前線~地域金融機関に求められる役割と地方創生~

展示会

展示会は、効率的に総務・経理・人事部門の担当者のリードを獲得できる方法です。

たとえば、「総務・人事・経理Week」という展示会があります。東京や大阪・名古屋などで毎年開催されており、各部門の担当者や、DXIT担当者、経営幹部が訪れます。他にも「バックオフィスDXPO」もあります。

 

参考:総務・人事・経理Week、バックオフィスDXPO

チャネルを絞った広告

総務・経理・人事の業務設計に対して、影響力がある人の目に触れやすい広告を打つ方法があります。

たとえばタクシー広告があります。座席の目の前に広告用タブレットがあり、総務・経理・人事関連のサービスを紹介していることが多いです。広告をよく見てみると、実は経営者向けにリスクヘッジや業務効率化による生産性向上、社員のやる気アップなどを訴求する内容になっており、総務・経理・人事だけでなく経営者向けの広告だということがわかります。つまり、タクシー広告は経営者がそれを見て、経理・総務・人事に検討指示するカスタマージャーニーを想定しているのです。

主要なタクシー広告配信メディアとして、GROWTHTokyo Primeが挙げられます。

 

参考:GROWTH、Tokyo Prime

Web広告の掲載

特定のキーワードを狙ったWeb広告も有効な方法です。目を引く広告だけでなく、ランディングページなどを作り、抱える課題に対する解決策や成功事例など、情報量は多い方が安心されやすくなります。

SNS広告も一部は有効です。ユーザーの興味・関心などから、自社の商品やサービスに関する意思決定者に近いであろう人をターゲティングできます。

オウンドメディアでの情報発信

総務・経理・人事関連のサービスに限らず、企業における選定プロセスの半分はWebなどによる事前のリサーチで終わっているといわれています。そこで重要になるのがWebにおける情報量の豊富さです。知らないところで機会損失をしないために、ブログやコラムなどのオウンドメディアで自社商品・サービスの優位性をしっかり発信していきましょう。 

専門情報誌への広告掲載

担当者がよく見る専門情報誌に広告を掲載して、問い合わせなどのリードを獲得する方法があります。総務・経理・人事関連の情報誌は多く、読者層や読者数などをよく確認し、自社にあったものを選びましょう。

たとえば「企業実務」や「Manegy」はバックオフィス業務全般で幅広いテーマを扱っている専門情報誌です。人事専門では「Human Capital Online」「HR NOTE」「日本人材ニュース」などがあります。

 

参考:企業実務、Manegy、Human Capital Online、HR NOTE、日本人材ニュース

マッチング・コミュニティサイトでの掲載

総務・経理・人事の実務担当者やサービス提供事業者が集まるオンラインのコミュニティサイトがあります。コミュニティサイトでは各事業者がセミナーを開催して参加者を募集したり、ホワイトペーパーを集めたりするページがあります。そこで商品やサービスの情報を発信することで担当者にアプローチすることが可能です。

たとえば、総務・経理・人事の幅広いテーマを扱っている「総務の森」や「オフィスのミカタ」、「労務SEARCH」があります。人事部門向けでは「HRプロ」「日本の人事部」、総務部門向けでは「月間総務」などがあります。

 

参考:総務の森、オフィスのミカタ、労務SEARCHHRプロ、日本の人事部、月間総務

販売代理店の募集

自社の商品・サービスを扱ってくれる販売代理店を探すのも選択肢の一つです。固有の販路を持っている販売代理店であれば、短期間で多くの契約を獲得できる可能性があります。

販売代理店との契約は、契約獲得ごとに都度報酬を支払うモデルもあれば、契約が続く限り継続的な報酬を支払うものもあります。自社に合った契約方法を模索しましょう。

販売代理店を活用して総務・経理・人事向けサービスを展開している例は多いです。たとえば従業員情報の一元管理を行う人事向けアプリケーションを提供する「ヒトマワリ」、経理向けアプリケーションの「バクラク」などがあります。

 

参考:ヒトマワリ、バクラク

DM(ダイレクトメール)の発信

ダイレクトメールも有効な方法です。営業部門や技術部門など、バックオフィス以外の部署をターゲットにする場合は、目的の部署に届く前に処分されてしまうことが多いです。しかしターゲットが総務・経理・人事部門であれば、高い確率で担当者の手元に届きます。また総務、経理、人事部門はおよそすべての会社に設置されている部署なので、DMを送付しやすい特徴があります。

まとめ

ここまで紹介してきた通り、総務・経理・人事部門にアプローチする方法は多く、社会情勢としても新規営業は追い風の時代です。しかしその分、他者との競争も激しくなっていることも事実です。よく戦略を練って、自社の強みを生かせるアプローチを選んで実行していきましょう。

加藤 賢大
WRITER
加藤 賢大
マーケティングリサーチャ―としてキャリアをスタートし、BtoB、BtoCかかわらず戦略立案や施策実行を支援。 自社マーケティングにおいても、戦略提案や業務提携、ウェビナー登壇やコラム執筆などを担当。その後、自社D2Cのブランドマネージャーを経て、現在は新規事業開発室の責任者としてクライアントのBtoBマーケに伴走。
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